【コミケレビュー】C89移動基地局車まとめ
はじめに
あけましておめでとうございます。
下書きで暖めていたらあっという間に2週間以上経っていました……hi
コミックマーケット89(以下C89)が2015/12/29(火)-31(木)の3日間行われました。
今回は平日ということもあり昨年よりも少なかったようですが、それでも3日間でのべ約52万人が来場し、非常に賑わいました。
怒濤の撤収作業の続く東京ビッグサイトです。三日目の入場者数は20万人です。三日間でのべ52万人の来場者ということになります。特に社会人には休みにくかったり、家庭の都合が悪かったりする中、ド年末のコミックマーケッ89に集まっていただきありがとうございました! #C89
— コミックマーケット準備会 (@comiketofficial) December 31, 2015
というわけで、C89に出動していた移動基地局車について、写真メインで簡単にまとめたいと思います。
移動基地局車まとめ
auは6台、docomoは3台、softbankは4台、UQは3台(うち2台はauと共用)の計14台が出動していました。
配置は以下の地図のとおりでした。
西駐車場(地上)
ここは全日通してコスプレエリア、また階段を上った先の屋上駐車場は1日目は企業の待機列、2~3日目は半分企業の待機列、半分コスプレエリアとなります。
ラッピング基地局車(痛基地局車)が配備されるのはここです。
各基地局車が出していた電波は、以下のスクリーンショットのとおりです。
見方はいつか紹介したいと思います……。
各社のLTE/3Gの帯域幅はC88と変化はありませんでした。
CA対応端末を持っていなかったので、CAしてたかは不明。
au基地局車 2.1G/1.5G/800MHz帯(3セクタ) + au Wi-Fi docomo基地局車 2.1G/1.8G/1.5G/800MHz帯(2セクタ) Softbank基地局車 2.5GHz帯(1セクタ), 2.1G/1.8G/900MHz帯(3セクタ) + Softbank Wi-Fi UQ基地局車 2.6GHz帯(1セクタ) + Wi-Fi
auはステッカーで車体をラッピングしてるのに対し、docomoはタペストリーを吊るし、Softbankはステッカーを張った板で覆っていました。
バックホール回線はau/docomo?UQは光ファイバー、Softbankは26GHz帯を使った無線エントランス×3対向(対向先はSoftbank鉄塔、1対向で最大伝送速度 180Mbps)でした。
以前は2対向のですが、3対向に増えました。ここがボトルネックになっては元も子もないですからね。
おまけ(au3G停波の様子)
今回もEVDO→1X→LTEの順に停波しました。
- au痛基地局車全体
- auアンテナ拡大
- au Wi-Fi
- docomo痛基地局車全体
- docomoアンテナ拡大
- Softbank痛基地局車全体
- Softbankアンテナ拡大
- Softbankアンテナ拡大2
- Softbankアンテナ拡大2
- Softbankバックホール
- UQ基地局車全体
- UQアンテナ
- UQ基地局車裏
有明客船ターミナル
ビッグサイトのあるふ頭の西側、有明客船ターミナルの付近にauの移動基地局車と高所作業車が出動していました。
高所作業車(クレーン車)を使った移動基地局は防災訓練などでメディアにお披露目されたことはありましたが、実際に見たのは初めてでした。
西屋上の企業待機列とふ頭公園待機列, コスプレエリアで有効だったかと思います。
アンテナは最近都内で見かける様になった6バンド(3.5G, 2.6G, 2G, 1.5G, 800M, 700MHz帯)対応アンテナが2セクタで用いられていました。
同軸ケーブルについて型番を知ることができましたので、そのデータを紹介します。
型番:FSJ4-50B
特性インピーダンス:50Ω
ケーブル外径:13.462 mm
質量:0.21 kg/m
減衰量:
11.101dB/100m @894MHz
14.906dB/100m @1500MHz
18.137dB/100m @2100MHz
21.056dB/100m @2700MHz
太さ重さ減衰量共にフジクラの10D-SFAの同軸くらいでしょうか。
業務用でしかもこんな伸ばすならもっといい同軸あっただろうに……
それと、上で留められているとはいえ、数十m同軸宙ぶらりんなのはひやひやしました……。
また、バックホールにはCANOBEAM DT-130(最大伝送速度 1.25Gbps)が使われていました。
以前まではSoftbankがここを使っていたのですが、最近はauが陣取っています。
移動基地局車の場所取り合戦はどのように行われているのでしょうか……。
au高所作業車 2.6G/2.1G/1.5G/800MHz帯(2セクタ, LTEOnly? ) au移動基地局車 2.1G/800MHz帯(1セクタ)
- auはしご車全体
- auはしご車車体拡大
- auはしご車同軸ケーブル
- auはしご車国際展示場正門駅から
- auはしご車アンテナ拡大
- auはしご車アンテナ拡大2
- au移動基地局車車体
- au移動基地局車群全体
- au移動基地局車車体
- au移動基地局車アンテナ
- au移動基地局車アンテナ(2GHz)
- au移動基地局車アンテナ(800MHz)
東待機列 北側
東7,8ホール建設に伴い、今回は待機場所が全体的に北東側にズレました。
3日目はかなり早い時刻に並び始めた人たちがこちらに並んでいました。
例年、午前中(入場規制解除されるくらいの時刻?)で封鎖されてしまうため、近づいて見るためには早い時間に行きましょう。
Softbank移動基地局車が先日紹介したマルチビームアンテナを載せていたのは見ものでした。30kgと非常に重いために低い位置にあり、詳しく見る事ができました。
ポート1~4(アンテナから見て左側2ビーム)から2.1G/1.8GHz帯が出ており、その代わり伸縮ポールに載ったアンテナ(3セクタ構成)のうち同ビーム方向の2セクタは900MHz帯のみでした。
au基地局車 2.6G/2.1G/1.5G/800MHz帯(3セクタ)+ au Wi-Fi docomo基地局車 2.1G/1.8G/1.5G/800MHz帯(2セクタ)+ docomo Wi-Fi Softbank基地局車 上段:900MHz帯(3セクタ), 2.1G/1.8GHz帯(1セクタ) 下段:2.5GHz帯(1セクタ), 2.1G/1.8GHz帯(2セクタ)+ Softbank Wi-Fi
- 東駐車場北側
- 東駐車場北側
- au移動基地局車全体
- au移動基地局車アンテナ拡大
- au Wi-Fi
- Softbank移動基地局車全体
- Softbank移動基地局車バックホール先
- Softbank移動基地局車正面
- 5NPX1006Fコネクタ部
- 5NPX1006Fコネクタ部拡大
- 5NPX1006Fポート1,2
- 5NPX1006Fポート3,4
- 5NPX1006F銘板
- Softbank移動基地局車アンテナ拡大
佐川急便東京営業所 屋上
驚いたことに、ビルの上から待機列向けの移動基地局車を用意していました。
6バンド対応のアンテナで狙い撃ちでした。もう一枚のアンテナは無線エントランス用?
同軸が4本しか伸びていないように見えるので、2.6GHz帯, 2.1G/1.5GHz帯, 800MHz帯のいずれか2組の電波を出していたようです。
- 佐川急便屋上au移動基地局車
- 別角度から
- 待機列より
東待機列 南側
3日目に7:30頃並んだ筆者はこちらに誘導されました。
3G/LTEの帯域は西駐車場と同様でした。
手持ちの端末で各バンドの様子を使える順に並べてみました。
使えるか使えないかはTwitterでTLが読み込めるか/ツイートできるかを目安にしています。
au
LTEB1(使える)>EVDO BC0(なんとか)>>LTEB11(使えない/au Wi-Fiのバックホール?)>LTEB18(全く使えない)
LTEB41(WiMAX2+)は試していませんが、都内での対応端末のバンド遷移を考えるに、多くの端末が最優先で掴みに行っていて使い物にならなかったと予想します。
docomo
LTEB21(使える)>>LTEB1(Twitterだけなら)>>LTEB3(使えない/docomo Wi-Fiのバックホール?)≒LTEB19≒3GBand I≒3GBand XIX
普段ならストレスなく動画が見られるLTEB3でTwitterさえできなくなったのは奇妙な感じでした。
Softbank
3GBand I(使える)>>LTEB3(Twitterだけなら)>>LTEB8(使えない)
LTEB41/1,3GBand VIII/IXは試してないです。
各キャリアの人間Wi-Fiが出動していたものの、いずれもLTEバックホールなため、全く使いものになりませんでした。
au基地局車 2.6G/2.1G/1.5G/800MHz帯(2セクタ)+ au Wi-Fi docomo基地局車 2.1G/1.8G/1.5G/800MHz帯(2セクタ)+ docomo Wi-Fi Softbank基地局車 2.5GHz帯(1セクタ), 2.1G/1.8G/900MHz帯(3セクタ) + Softbank Wi-Fi Softbank基地局車 2.5GHz帯(1セクタ), 2.1G/1.8G/900MHz帯(3セクタ) + Softbank Wi-Fi
- 東待機列北側基地局車群
- 移動中の待機列より
- docomo基地局車とau基地局車
- au基地局車
- 外に装置類
- 別角度から
- auアンテナ拡大
- docomo基地局車
- 別角度から
- docomoアンテナ
- docomo人間Wi-Fi
- Softbank基地局車
- 別角度から
- Softbankアンテナ拡大(ステイ張る方向が気になる)
- 別角度から
- Softbank Wi-Fi
- Softbankバックホール
- Softbank基地局車2台目
- Softbank基地局車2全体
- 別角度から
最後に
まとめますと、
・大型のマルチビーム/マルチバンドアンテナの登場(docomoも実は使っていたらしい)
・高所作業車の出動
この2点がインパクトが有り、見ものだったと思います。
とはいえ、まだまだ繋がりにくいイベントでした。
帯域不足なのはどの場所でも感じたことなので、今後広がる3.5G/700MHz帯に期待したいところです。
また、既存帯域だけでも、ピコセルやSDR基地局を密に打ったり、マルチビームアンテナを活用する(セル半径を小さくしてセルを増やす)ことでキャパを増やせると思うのですが、どうなのでしょうか。
また、肝心なところを見落としていたかもしれません。
「ここ見てこなくちゃダメだろー」って事がありましたら教えて下さい……。
以上です。
参考URL
25GHz帯小電力データ通信装置 NTG-2501 | JRC 日本無線 (2016.01.15 閲覧)
NTTドコモ関西、災害に備えたエリア対策やトラフィック対策を公開 | ケータイ Watch (2016.01.15 閲覧)
C89対策を先取り調査!周辺に大きな変化! | Gadget and Radio (2016.01.15 閲覧)
コミックマーケット87の移動基地局車のアクセス回線を探る | kanai6274’s blog (2016.01.15 閲覧)
