キャリアアグリゲーションのバンド組み合わせ表記について
キャリアアグリゲーション(以下:CA)で使用するバンド(周波数)の組み合わせ(CA Combination)は、ある定義に従って表記されます。
今回はその定義を解説したいと思います。
例
表し方の定義を確認する前に、まずは実際の表記例を確認したいと思います。
- CA_3A-20A
- CA_3A-3A-20A
- CA_3C-20A
- CA_3D-20A
これら4つはどれもBand3とBand20のCAですが、違いはCAで用いられるBand3の帯域にあります。
上記4つのCAを図で表すと以下のようになります。Band3の部分に注目してください。
ただし今回は例として、CAに用いるBand20は20MHz幅であるとします。
オレンジの部分がCAで用いられている帯域、白い部分はCAしていない帯域です。
CA_3A-20AはBand3を20MHz幅だけCAに使用しています。
それに比べ、CA_3A-3A-20AとCA_3C-20AはBand3を計40MHz幅CAしています。
しかし、前者は3A-3Aとあるため、この40MHz幅は連続していません。
一方、後者は3Cとあるため、この40MHz幅が連続した帯域となっています。
数字末尾のAは連続した帯域幅が20MHz幅以下(かつ1つの帯域を使用)であることを示し、Cは連続した帯域は20MHz幅より広く40MHz幅以下(すなわち連続した2つの帯域を使用)であることを示します。(LTEは帯域幅1つあたり最大で20MHz幅)
また、Dは連続した帯域が40MHz幅より広く60MHz幅以下(すなわち連続した3つの帯域を使用)であることを示すため、CA_3D-20Aは上図のようになります。
なお、説明の便宜上20MHz幅単位で表しましたが、例えば”CA_3A-20A”の場合はBand3は15MHz幅でBand20は10MHz幅という場合もありますし、”CA_3D-20A”は「Dは連続した帯域が40MHz幅より広く60MHz幅以下」という定義よりBand3は50MHz幅や55MHz幅などのこともあります。
表し方の定義
上の例で定義はだいぶわかったかと思いますが、定義は以下のようになります。
- CAするバンドはハイフンで繋ぐ。アンダーバーではない。
- 先頭の”CA_”は省略されることがある。
- バンドを示す数字の末尾につくアルファベット(Class)は次にように定義される。
Class | リソースブロック数 | 連続した帯域幅
[MHz] |
連続した
帯域の数 |
A | N <= 100 | ~20 | 1 |
---|---|---|---|
B | 25 < N <= 100 | 5~20 | 2 |
C | 100 < N <= 200 | 20~40 | 2 |
D | 200 < N <= 300 | 40~60 | 3 |
E | 300 < N <= 400 | 60~80 | 4 |
F | 400 < N <= 500 | 80~100 | 5 |
I | 700 < N <= 800 | 140~160 | 8 |
なお、100リソースブロック=20MHz幅です。
また、先ほどの例では挙げませんでしたが、連続した帯域幅は20MHz幅以下でありながら2つの帯域に分けられている場合はAではなくBとなります。
CAの組み合わせにはどのようなものがあるか
CAコンビネージョンは3GPP 36.101にありますがこれをわかりやすくまとめてくれているサイトがあるのでそちらを参考にしてください。
参考文献
- http://www.4gamericas.org/files/8414/1471/2230/4G_Americas_Carrier_Aggregation_FINALv1_0_3.pdf
- LTE Carrier Aggregation – LG Space