VAIO Phoneは結局FOMAプラスエリアに”対応” – 「本来あり得ない理由で」Band6を掴む
巷で話題のVAIO Phoneですが結局Band6を掴み、FOMAプラスエリアに対応するようです。それも本来あり得ない理由で。
どうしてこうなったかを見て行きたいと思います。
本来はBand6を掴まないVAIO Phone
FOMAプラスエリアはAバンドとBバンドをBand6、CバンドをBand19(XiのBand19とは別です)として提供していますがCバンドは現在ほぼ消滅しておりFOMAプラスエリアは実質Band6となります。
その為、Band6に非対応であるVAIO Phoneはプラスエリアを掴めないはずです。
<以下推測を含みます、詳しく調査中なので間違っていたらすみません>
実際に3GPPの仕様(TR 36.800 V9.0.0 5.5章)を確認してみると、VAIO PhoneやAscend mate 7のような「Band19のみに対応し、Band6には非対応な端末」はBand6にもアクセスする能力を持っていますが、Band6のセルにアクセスして報知情報のSIB5を見た後、あくまでもBand6のセルですからBarredと見なして接続をしないのが本来の仕様です。
Ascend mate 7がプラスエリアで使えないのはこのためであり、mate 7は仕様通りの正しい動作をしているわけです。
ところがVAIO Phoneはこの仕様に反してBand6をBand19と見なし接続してしまいます。
これがVAIO Phoneでプラスエリアが(本来あり得ない理由で)使えてしまう理由です。
ちなみに、同じQualcomm社のチップを積んだGalaxyをW-CDMA Band19に固定したログを頂いたので確認したのですが同じようにBand6の部分を平気な顔してBand19をして掴んでいたのでQualcomm社のチップが悪いようです。
GalaxyのServicemodeが当てにならない話を以前記事にしましたが原因はこれだったんですね。
日本通信がこの仕様を理解した上であのようにリリースしていたのであれば驚きですが……
この問題を解決したTwitterの某氏とこのためにVAIO Phoneを購入、山奥まで電測しに行った某氏には本当に恐れ入ります。
参考ツイート
ついにLTE圏外のFOMAプラスエリア見つけた!……でもこれ、W-CDMA Band 6じゃなくてBand 19基地局じゃね? pic.twitter.com/OtmuQx6fr3
— あんのーん@技適厨 (@factorymark) March 24, 2015
Band19となっているのは恐らくGalaxyのバグで実際はBand6
@sinclair_shi そこがまだ深堀りの足りないところで、参照した資料(http://t.co/xHfWHPumg0)の5.5章には、XIX端末はVIとXIXの双方への無線アクセス能力を持つべきであると書かれてるんですが、能力があってもBand提示に従うのかどうか…。
— おやぐまさん (@oyaguma3) March 24, 2015
端末側はパラメータを読めてしかも通知できるようにサポートする必要があると書かれてはいるけど、VIをXIXとして扱えるような下りは今のところ見当たらない。あるとすればTS 25.331だと思うけど、こちらはむしろBandきっちり見ろよ、な文面だしな…。
— おやぐまさん (@oyaguma3) March 24, 2015
XIX固定で取得されたログで見える網側の挙動を補助線にして考えてみると、むしろAscend Mate 7がきちんと仕様に準拠していて、VAIO PhoneやXIX固定のGalaxyが準拠していないように見えてくる。
— おやぐまさん (@oyaguma3) March 24, 2015
先ほど読んでいたTR(Technical Report) http://t.co/xHfWHPumg0 を再度目を通したんだけど、やっぱりVIセルにXIXのみ対応端末が接続要求上げるのは仕様違反と見てよさそうだ。
— おやぐまさん (@oyaguma3) March 24, 2015