テスラのオートパイロットが8.0にアップデート – レーダーを主軸にしたものに
テスラ(Tesla)のオートパイロット(Autopilot)が近日中に8.0にアップデートされることが発表されました。
オートパイロットは自動運転というよりは、いわゆるアダプティブクルーズコントロール(ACC)と呼ばれるもので、先日オートパイロット中に死亡事故が起こったことで話題になりましたね。
テスラは事故が起こった原因を、光の加減でカメラがトラックを発見できなかったからと述べていますが、今回のアップデートでそのような事故は減少すると述べています。
カメラメインからレーダーメインに
具体的に何が大きく変わるかというと、今回のバージョン8.0から主としてレーダー(ミリ波+超音波)で周囲を把握し、カメラを補助的に使う形式に切り替えるそうです。
今までは、主に単眼カメラで周囲を把握し、レーダーは補助的に使用していました。
この単眼カメラを用いた障害物検知はMobileye(モービルアイ)社の技術を用いたもので、日本はもちろん、世界中の自動車メーカーにおいて単眼カメラでACCを実現しているもののほとんどは、このMobileye社の技術を使用しています。
しかし、先日の事故でテスラはMobileye社と仲が悪くなったという噂も流れており、今度どうするかが注目されていた矢先でした。
テスラはレーダーをメインにすることで、周囲の状況を天候に左右されることなく、3Dで周囲360°を把握、従来の6倍の物体を検知できると述べています。
しかし、レーダーベースにすることで道路標識などのような問題のないものまで障害物として検知する可能性があるらしく、それを防ぐためにテスラ車同士でディープラーニングのネットワークを組み、そのデータとカメラや位置情報を組み合わせることで誤検知を防ぐとしています。
なお、車両前方の障害物検知に用いているミリ波レーダーは遠方の障害物まで検知できますが、側方や後方の障害物検知に使用している超音波センサーは4.8m以内までの物体しか検知できないので過信は禁物です。
テスラのミリ波レーダーは2台前の車まで検知
更に面白い点として、テスラはミリ波レーダーで2台前の状況まで把握することができ、これによりブレーキのタイミングを早めることができると述べています。
この技術を既に商用化してるのは実は日産しかありません。
2台前の車の加減速をどの程度の精度で検知できるかすごく気になりますが、もしこれが実用的であれば、玉突き事故の減少や、よりスムーズなブレーキングが期待できますね。
その他アップデート内容
公式ページを翻訳しただけです。
訳に自信がないので一応公式ページを見てください。
- ACC時にブレーキが瞬時に立ち上がる用に。遅延が従来の5分の1
- 2台前の車を検知、より早めのブレーキングが可能に
- ハイウェイ出口まで自動運転(アメリカのみ)
- Car offsets in lane when overtaking a slower vehicle driving close to its lane edge
- インターフェイスの改善
- ウインカーを出して自車の前に割り込んでくる車の検知率上昇
- ヨーロッパにおいて右車線で追い越しをする可能性を減少
- 自動車線変更の利用可能率アップ
- オートステア中に何度も手放し運転の警告を無視した場合、停車するまで機能が使えなくなるように変更
- オートブレーキが緊急時にユーザーがブレーキを踏んだ際の踏力を増加させます
- マニュアルモードでも車線逸脱警報が有効に
- より高度な情報収集を用いて、衝突を避けるためにオートステアを使うように
- ディープラーニングを用いて、ACCでカーブを走行する時の速度を調整します
- およそ200の細かな変更
Autopilot 2.0
最後に余談ですが、テスラは今後より多くのレーダーを搭載し、カメラを単眼からステレオに切り替えるのではないかと噂されています。
これは、今回の記事にあるバージョン8.0などとは別にAutopilot 2.0と呼ばれています。
ステレオカメラは単眼カメラに比べて、前方にある物体の距離を把握するのに優れていますが、単眼カメラを用いた距離の測位技術も発展しており、今後どうなるか注目です、