KDDIがなんちゃって5Gの開始を宣言。なんちゃって感がより強い3.5GHzから

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概要

KDDI(株)は2020/12/09、5G NRだけで通信できるSA運用の開始も、5Gの低遅延性を活かすのに必須な5GCの導入も発表していない中、既にn78 5G NRとして利用している3.7GHz帯にほど近い、Band 42 TD-LTEとして使用している3.5GHz帯を5G NRに転用することを発表した。

そして2021/01/19には、同様の状態の中Band 28 FD-LTEとして活用している700MHz帯をも5G NRに転用することも発表した。

転用の内訳

“5Gネットワークの早期整備に向け” て、”既存周波数を利用した5Gサービスエリアの構築を積極的に推進して” いくとしており、最もモバイルトラフィックの多い東名阪地区では12月中旬より3.5GHz帯を5G NRとして利用していくそうである。

既存の5G端末ではそのまま利用することはできず、自己責任の扱いとなるソフトウェアアップデートが必要になる。

5G転用によって起きる影響

Band 42に係わる特定基地局開設計画の認定は、放送事業者が下側の周波数帯を番組伝送用などに使用していたため、2014年12月と2018年4月との2回に分けて行われた。しかしKDDIはBand 42に係わる2度目の特定基地局開設計画を受けることができず、3520 – 3560MHzの1枠40MHzしか免許を受けることができない状態となっている。

この度の3.5GHz帯を5G NRとして使用するという決定により、iPhone 12のように対応する5G端末の利用者は以下のような正の影響を受ける。

  • より広いエリアで5Gピクトのまま通信できるようになる
    • 3.5GHz帯は純5G向けに割り当てられた3.7GHz帯よりも考慮すべき衛星干渉が少なく、3.7GHz帯より多くの基地局が設置可能なため
    • ミリ波も衛星干渉による基地局の設置に制限があるが、それよりも障害物による減衰が激しいため、使える可能性が低い
  • 2017年から存在している、Band 42 TD-LTE対応端末を締め出すことが可能となるため、通信速度が高速化される

一方、Galaxy S8+ SCV35をはじめとする、受信最大558Mbps (CA_41C-42C) および758Mbps (CA_1A-41C-42C), 818.5Mbps (CA_1A-41A-42C, CA_1A-41C-42A), 837Mbps (CA_1A-42C), 958Mbps (CA_1A-42C), 1.2Gbps (CA_1A-41C-42C) 対応端末の利用者を主として、4G LTE契約者全般は、以下のような負の影響を受ける。

  • Band 42対応端末が3.5GHz帯から締め出されるため、通信速度が低下する
    • 上記CA対応端末利用者のトラフィックが既存周波数のFD-LTEや、事実上のTD-LTEであるWiMAX 2+に流れ込む
    • 結果として他の既存周波数が混雑するので、上記CA対応端末利用者だけでなく4G LTE契約者全般に影響がある

Xi開始時のドコモ同様に、既存契約者に対して負の影響が出る周波数転用になっている。

むすび

BWAも事実上の5G NRであるBWA-NRが制度上存在しているので、WiMAX (いわゆる無印。モバイルWiMAX) の停波によって現在空白となっている、UQコミュニケーションズに認定された (いた?) 2595 – 2605MHzの10MHz幅のNR化が真っ先にされなかったことが残念であるとして、筆を置かせていただきたい。

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