どうしてSB LTEはAXGPに繋がりにくくなったのか
追記(2016.11.09)
こちらの記事は内容が古いです。
現在では電波状況やトラヒックなどに応じてより快適な周波数を掴むように変更されています。
TD-LTEに対応したiPhone6が発売され、日本ではAXGPやWiMAX2+がiPhoneでも使えるようになりました。
ところが、iPhone6が発売されて以来、ソフトバンクのネットワークチューニングが大幅に変更されたようで、AXGPに繋がりにくくなり、代わりにFDD(Band1や3,8)に繋がりやすくくなりました。
→2016年2月現在、両方共同程度に繋がっている印象です。
どうしてそういう設定にしたのか
おそらく、iPhone6ユーザーのトラフィックをすべてAXGPに流せるほどAXGP基地局に余裕がないからとSBが判断したからでしょう。
実際、AXGPはユーザーが少ない基地局では理論値に近い速度が出てとても快適ですが、都内でスピードテストしてみると下り5Mbps未満の基地局も近頃増えてきました。
追記(ご意見をいただいたので。ありがとうございます):
下でもあるようにSBの場合、通信状況の悪化でTDD→FDDに切り替わるときに一度通信断が起こります。
これを嫌ったためというのも理由として十分考えられます。
具体的にどういう設定にしたのか
その前に、LTEの接続状態には大きく分けて2種類あります。
- Idle
無通信状態。通信を始めると後述のConnectedに切り替わります。
- Connected
通信中の状態。通信が終了してもすぐにはIdleにならず、数十秒後にIdleに切り替わります(秒数はキャリア側の設定による)
まず、Idle時についてですが、Idle時は各周波数・各バンド幅に0~7の優先度が割り当てらているのですが、以前はAXGPの優先度がBand1に比べて高い設定になっていました。
しかし、iPhone6が発売され、AXGPもBand1 15MHz/10MHzも全て同じ優先度に変更されました。(少なくとも私が調べた範囲では)
なので待ち受け時にAXGPに繋がっていることは劇的に減りました。
次にConnected時についてですが、Connected時はIdle時と違って明確な優先度を定めることはできません。
Idle→Connectedに切り替わるときは、Idle時に掴んでいたバンドをそのまま掴み続け、そのバンドの電波状況が悪くなり、さらに他バンドの電波状況がそれなりに良いと(パラメータで程度を設定)別なバンドへ移動するようになっています。
ソフトバンクはAXGPとFDDとの切り替えは、(Active Handoverせず、)Release with Redirectionという方式を取っており、切り替え時に一度通信が切断します。
そのため、通信を安定させるために、通信中であっても、AXGPの電波状況が悪くなるとFDDに切り替わることはありますが、逆にConnected中にFDDからAXGPに切り替わることはありません。
なので、一度Band1や3を掴むとなかなかAXGPに戻りません(Idleに戻るまで)
また、AXGPの電波が多少悪くなっただけでもFDDに切り替わりやすいパラメーター設定にした気がします(あくまでも個人の感触)
まとめ
- iPhoneの莫大なトラフィックに対応しきれないのでAXGPにつがりにくくなった
- 一度Band1や3,8を掴むとなかなかAXGPに戻らないよ!
- 今後はピコセルを建ててスポット的にトラフィック対策することが重要
- (近日中にAXGPのピコセルを紹介します。お楽しみに)