WTP2017移動体通信に関係した展示の個人的まとめ
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WTP(ワイヤレス・テクノロジー・パーク)2017に行ってきたので、個人的に興味を持ったセルラー関係の展示について、簡単なメモと合わせてまとめておきます。
KDDI
ドローン基地局
先日Softbankがドローンを用いた臨時基地局の実験をしていましたが、それと似たようなものに思えました。
バッテリーの持ちが1時間かその程度ですので、災害時に一時的にエリア化し、ユーザーの位置や数を把握したり、ブロードキャスティングによって情報を伝送したりといった使い方が想定されているとのことでした。
5Gへの取り組み
新宿のKDDIビル前でやってた実験局の成果発表でした。
次世代通信「5G」の超高速な未来を体感してきた! | TIME&SPACE by KDDI
ZTE
5Gに向けたMassive MIMOアンテナ(無線機ユニット)の展示がされていました。
2.5G/3.5GHz帯のMassive MIMO
従来はH/V偏波でしたが、今回は単一偏波(Horizontalのみ)だそうです。
また、BBUを外付けにしたことで2割ほど小型化・軽量化でき、C-RANで基地局間CAも実現できるとのことです。
ポスターではAAU(Active Antenna Unit)という名称で紹介されていました。
ZTE Corporation
ZXSDR MM6212 T26 Massive MIMO Base Station
2545MHz-2575MHz
水平偏波
64T64R
技適番号:005-101369
10M0 X7W 2550~2570MHz(100kHz間隔201波) 0.199~20W
20M0 X7W 2555~2565MHz(100kHz間隔101波) 0.398~40W
追記:写真のAAUは2.5GHz帯のシングルバンドであり、表題にある3.5GHz帯は対応していません。以下の機器がそれに当たると思われます。[3]
ZTE Corporation
ZXSDR MM6212 T35
005-101529
20M0 X7W 3570~3590MHz(100kHz間隔201波) 0.125~0.625W
1.7GHz帯Massive MIMO
FDD-LTE Band3のMassive MIMOです。
2.5G/3.5GHz帯よりも周波数が低い=波長が長いのでアンテナも大きくなり、素子数は小さくなり、ユニットも大きくなっています。
下りと上りで周波数が大きく違うのでTDDのMassive MIMOよりも高度な技術が必要になります。
ポスターではAAU(Active Antenna Unit)という名称で紹介されていました。BBU(Base Band Unit)は含まれておらず、光ケーブルで接続されます。
ZTE Corporation
ZXSDR MM6212 L1800 FDD-LTE Massive MIMO Active Antenna Unit
UL 1730MHz-1785MHz, DL 1825MHz-1880MHz
垂直/水平偏波
32T32R
技適番号は2017/9/17現在確認できません。
他にも6GHz帯と28G/60GHz帯のアンテナが展示されていました。6GHz帯なあたり、こちらも日本向けでしょうか。
Tongyu
世界的に有名な中国のアンテナメーカーです。
日本で使われているという話はまだ聞いていませんが、今回出展していることから日本への市場拡大も予想されます。
また、ZTEの2.5GHz帯のMassive MIMOのOEMだったこともパネルからわかりました。
富士通
写真は撮りませんでしたが、60GHz帯と28GHz帯の無線機ユニット、特にアンテナとその制御系の設計に力を入れていることがわかりました。
ミリ波帯高速通信の実用化を加速:干渉少ない多重ビーム生成技術、60GHz機で実証 – EE Times Japan
Ericsson
先のKDDIビル前の無線機ユニットがEricssonのものですが、その後継機がスケルトンで展示されていました。
アンテナが64素子×2ユニットに増設されたのがわかります。
ドコモ
788Mbpsの宣伝
2017年5月現在でドコモ最速は下り最大682Mbpsでした。これは、「3CCA(CA_3A-42CもしくはCA_1A-42CのFDD20MHz+TDD20MHz×2)」, 「4×4 MIMO」,「256QAM」,「TM9」といった技術を用いた通信でした。
2017年8月からは下り最大788Mbpsのサービスが開始されます。高速化のキモは「TM4」にしたことです。MIMOに必要な制御信号を減らし、その分データ伝送に割り振って通信速度を向上するというカラクリです。(天使の取り分とか言われているやつです)
3.5GHz帯のRRE・BBU・ANT
アンテナは実際には何種類も使われているようですが、展示されていたのは設置性重視の短いマクロセル用アンテナと、アドオンセル用の短い無指向性アンテナでした。
JRC
WTP2015ではCompact EPCを展示してありましたが、その技術を応用して基地局をまとめたものが展示されていました。
バッテリー式なので、バックホール回線(衛星 or Ethernet)をつなぐことですぐに基地局として動かすことができます。
参考リンク
- 各キャリアの理論値通信速度まとめ~理論値から変調やCA, MIMOの状態を分析する~ | Gadget and Radio (2017/5/31閲覧)
- ドコモで下り最大788MbpsのLTE、2017年8月~ by 石井 徹 | ケータイWatch (2017/5/31閲覧)
- 技術基準適合証明等を受けた機器の検索 | 総務省 電波利用ホームページ
更新履歴
- 2017/9/17 検索しやすいよう写真に写っている型番等を文字で起こしました。