【UDC】WiMAX2+とAXGPの上り速度が理論値を上回ることがある件
追記(2017.05.29)
再測定しなおしたところ,WiMAX2+では下記の現象が再現できなくなってしまいました。
AXGPでは5/29現在も再現できています。
AXGPでまだUDPと思われる現象が起きてることを確認(よりにもよって10MHz幅の方をつかむ) pic.twitter.com/tyEZcbjHI4
— にりょ (@sinclair_shi) May 29, 2017
(まずはじめに)結論
WiMAX2+やAXGPの上りにはUDCが働いている可能性がある。
総務省実効速度調査においてソフトバンクの上り速度が理論値を上回っていたのもこれが原因ではないだろうか?
追記(2017.05.24):
UQでは公式にUDCの対応を謳っているようです。
しかし、対応端末として正式に発表しているのはW04のみとなります。
Speed Wi-Fi NEXT W04 アップデート情報 | UQ WiMAX|超高速モバイルインターネットWiMAX2+
事の発端
UQ mobileがau本家級の速度、mineoとIIJmioは昼時が鬼門――「格安SIM」の実効速度を比較(au&Y!mobile回線4月編)
> 上りの速度は下りを上回っており、トップはUQ mobileで99.18Mbps。LTE NETも93.79Mbpsとアップロードは相当速い
au(MVNOも含む)の上り速度が一部スピードテストにおいて理論値を上回るケースがあると話題になる
→Twitterの有識者達曰く、UDC(Uplink Data Compression)が働いているのでは?という話になる
ということでやっつけで書いたまとめ。画像が多すぎたためにTwitterではなくこちらにまとめた所存。
もちろん、UDC以外の要因によって今回のケースが起こっていることも否定できないので注意
UDCとは
TDDにおいて上りトラヒックを圧縮する技術
対応しているかどうかはベースバンドチップとeNode B(基地局)に依存
対応ベースバンドチップはQualcommの場合、X12もしくはX16からのようだ
Qualcomm Technologies’ next generation LTE modems are expected to support this later this year
もしUDCが働いていたとしたら、SSL非対応のスピードテスト(RBB Speedtest等)で理論値を上回るケースが出てくると予想される。
スピードテストの結果
以下のスピードテストを実施
- au iPhone 6s(UDC非対応)でWiMAX 2+(B41)を測定
- au SIMを刺したドコモ版Galaxy S7e(UDC対応)でB1/B41を測定
- 上記S7eにau iPhone 6sをテザリングでぶら下げて測定
- 上記S7eにソフトバンクSIMを刺してB1/B41(AXGP)を測定
WiMAX2+の基地局はiPhone, S7e共に同じ基地局を掴んでいることを確認
上記測定は全て同じ場所で行った
au iPhone 6s
UDC非対応なので普通の速度
au S7e
6sと同じセルを掴んでいるが、UDC対応端末なのでB41の上りが速い
また、このS7eにテザリングで6sをぶら下げてB41を測定すると
Wi-Fiテザリングのためか先ほどよりも速度は落ちたが、やはり上り速度が理論値を超えた。
ソフトバンク
同様にAXGPだと上り速度が理論値を超えた