アメリカ放題中の発信者番号通知がどうなるかを調査した

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はじめに

以前(2016年9月)Twitter等で、「アメリカ放題中の端末から電話を発信したところ、見覚えのない番号が相手に通知された」という話がありました。

これが事実だとすると、着信側は「誰がかけてきたのかわからない」「かけなおしできない」等の問題があるためユーザーとしては大変困るわけですが、この件を我々”がじぇらじ”でも調査してみました。

 

調査方法

調査日時は日本時間の2017年3月22日

当ブログライターでもあるほりぴー氏(@mebius_1)がソフトバンクSIMを刺したiPhone 6sで訪米

アメリカ放題中(Sprintに在圏中)であることを確認し、

  1. 日本にいる私(にりょ)に電話/SMSを発信
  2. ほりぴー氏がアメリカ放題中の端末から手元にあるH2O端末へ電話を発信(すなわちアメリカ国内での通話ケースを想定)

 

使用した端末は以下の通り

  • ほりぴー氏のiPhone 6s

iOS 10.2.1 キャリアプロファイルは「ソフトバンク27.1」

電話番号の末尾4桁は”5746″

 

  • ほりぴー氏のH2O端末

Nexus 6 電話番号末尾4桁は”9431″

 

  • にりょ

au iPhone 6s

電話番号の末尾4桁は”6113″

 

また、おまけでアメリカ放題端末のリモートホストも確認しました。

 

ケース1:アメリカ放題→日本

電話:通知されず

SMS:”+81-80-CDEF-5746″とソフトバンクSIMの電話番号が正しく通知される

また、H2O端末の代わりにau SIMを刺したLGV34(AT&Tにローミング中)に対しても同様の発信テストを行いましたが、結果は同様でした(図1-2)

※同じLGV34でもVerizonを掴んでいると「通知不可能」でAT&Tを掴んでいるときは「非通知設定」と通知されるそうです。

 

なお、ドコモのホームページにもローミングしている端末から日本にかけた場合は番号が通知されないことがあると記載されており、これは正常な挙動であると推測できます。

発信者番号通知を設定していても、「通知不可能」や「非通知」など正しい番号表示にならない場合があります。

海外での電話のかけ方・受け方 – NTTドコモ

 

ケース2:アメリカ放題→H2O(アメリカからアメリカへの国内通話)

結果:見覚えのない番号が通知されました

 

図3はアメリカ放題中のiPhoneからH2OのSIMを刺したNexus 6に発信したものです。

Nexus 6に表示されている番号は見覚えがありません。

そこでこの見覚えのない番号にリダイヤルしてみるもiPhoneは反応なし(図4)

「この番号は使われていません」という旨のメッセージが流れてきました。

 

以上より、この見覚えのない番号は3GPP上でいうところの”MSRN(Mobile Station Roaming Number)”であると推測できます。

MSRNはローミングしている端末が発着信する際に一時的に割り当てられる番号であり、通話が確立した時点でこの番号は使えなくなります。

そのため、この番号にかけなおしたとしても相手は応答しません。

 

おまけ:アメリカ放題中のリモートホスト

アメリカ放題+4Gの時のリモートホストは日本と同様、pandaworldでした(図5)

ここでLTEをオフにしようとしたところ、アメリカ放題中は4Gをオフにする項目が消えることが判明(図6)

 

 

まとめ

アメリカ放題中の端末から電話を発信した場合、相手には自分の電話番号は通知されないようです。

ケース1において番号が通知されない件に対して、ドコモは下記のような対策を行っています。

ドコモ、海外での不在着信時に発信者番号を知らせる「ローミング着信通知SMS」

ケース1はともかく、ケース2で見覚えのない番号が通知されるのはやめてほしいですね。

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