岩手・紫波町佐比内地区における有線ブロードバンドに関する私的まとめ

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はじめに

Togetter上のまとめを見ただけでは、一般消費者の目線から見た情報しかまとまっていなく、通信系オタクの知りたい情報が記載されてなかったために今回のまとめに至る。なお、タイトルでは紫波町佐比内地区と書いているが、実態としては彦部地区東部も含む。

なお、Togetterまとめでは400世帯が問題の対象とされているが、350世帯という説もある[2]

現在の状況

概要

2017年11月29日現在、当地ではJAいわて中央の有線放送用メタルケーブルを利用し、(株)フルーツネットがADSLインターネット接続を提供している。このサービスの加入者は70世帯[2]となっており、この値は設備由来の最大数[2]とされている。

有線放送って何?

本来はラジオの再送信や自主放送を行うために設けられた設備。農事放送とも。のちに加入者同士の音声通話役務 (電話) が導入される。このようなサービスが提供されている場所は無電化区域や電力事情が不安定であったり、電話の加入区域外となっため重宝したとされている[要出典]。ケーブルテレビと (やりたいことは) 似たようなものではあるが、異なる。

ADSL (Asymmetric Digital Subscriber Line) って何?

光ファイバを各戸に敷設できない集団住宅で使われるVDSLのように、本来は音声用に敷設された低品質のメタルケーブルを用いてデータ通信をする方式である。上下方向の速度が違うためAsymmetricの文字が含まれる。

ADSLの提供形態

山形あたりを本拠地とするISPである(株)IC-NETの子会社、(株)フルーツネットは2003年よりJAいわて中央の有線放送用に設けられたメタルケーブルを利用し、ADSLサービスを提供している。有線放送の各中継局にDSLAM (センター側モデム) を設置し、日詰にある紫波有線放送センターにインターネットとのゲートウェイが設置されていると考えられる。中継局とセンターとの間は2005年より、地域イントラネット基盤施設整備事業で設置された、光ファイバの余剰芯線 (ダークファイバ) を用いて接続している[3]

廃止予定について

JAいわて中央の有線放送は設備の老朽化や、加入者の減少[4]から2018年02月の廃止を決定した。これに伴いフルーツネットのADSLサービスも終了を余儀なくされることとなる。が、代替サービスが決定された場合に限り最長1年の間、ADSLサービスの終了は延期されるようである[5]。なお有線放送の終了に伴い、地域イントラネット基盤施設整備事業で設置された光ファイバが、小学校や公民館といった公共施設ですら使えなくなる[6]とされているが、Googleストリートビューを見る限りでは町立佐比内小学校にはメタルケーブルしか引き込まれてないようである[7]

将来のこと

かような事案のため、次世代のブロードバンドインターネット接続サービスについては以下のような検討がなされている[8][9]

FTTH (光ファイバ接続)

フレッツ光などのFTTHが望まれているがNTTは自力展開が困難な地域であり、公設民営方式のアクセス網であってもアンケート対象世帯の5割以上の加入が確約されていないと検討すらしないとしている[9]

一方フルーツネットによるFTTHの整備も考えられたが、初期費用として3億円ほどかかるとの試算がなされた[9]

なお、ADSLなど他の有線インターネット接続サービスが提供開始されなければ、公共施設には法人向けの光ファイバを敷設するとしている[10]

NTTのドライカッパの利用や加入電話をラインシェアリングしたADSL

フルーツネットによるFTTHの整備は費用が多額となるため、NTT加入電話用のメタルケーブルを利用したADSLが考慮されている。佐比内電話交換所はRT-BOXのような小型局舎である[11]ためそのままではDSLAMの設置が行えず、敷地内に別の局舎を建設できないか相談するようである[9]

想定される加入者数と月額費用の関係は以下のものとなっている[9]

  • 70世帯 (現在の加入者数): 15千円/月
  • 100世帯: 10千円/月
  • 150世帯: 7千円/月
  • 190世帯: 5.5千円/月
  • 200世帯: 5千円/月

なお佐比内電話交換所が電話交換の対象とする区域では、NTT加入電話用のメタルケーブルを利用したADSLはこれまで一切提供されておらず[11]、NTTのフレッツADSLの新規加入は2016年6月末を以て原則終了している[12]

携帯電話回線 (LTE)

地区内では携帯電話の速度調査がなされている[9]が、ドコモのLTEは800MHz帯でのみの整備となっている面積が大きく、中山間部ということもありエリアマップには穴も伺える。

おわりに

NTT自身は光ファイバアクセス網の自力整備が困難な地域としているが、敷設済みメタルケーブルが老朽化したときの、ポストメタルIP電話時代をどう見据えているのか、という疑問が残る。

参考文献

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ドーモ、hadsnです。誰が得するんだ、というネタをズバッと解説。自前のWebページは13年やってやっとアクセスカウンタが7000まで回りました! 今後ともご贔屓に(?)