4×4 MIMOの速度公称値をまとめてみた (256QAM対応編)

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はじめに

以前公開した “4×4 MIMOの速度公称値をまとめてみた” では各キャリアの20MHz幅64QAM運用でのTD-LTE(互換)サービスの4×4 MIMO実施時の速度公称値をまとめたわけですが、とうとうUQコミュニケーションズが提供するWiMAX 2+についても256QAM運用が開始されるという告知があったので (遅まきながら) “20MHz幅で256QAM運用した1波あたりの速度公称値” をまとめさせていただきたいと思います。

あわせて読めよ

MIMOって何?

詳細は「4×4 MIMOの速度公称値をまとめてみた#MIMOって何?」を参照

実際の速度

ソフトバンクおよびWireless City Planning

Wireless City PlanningがBand 41として提供するTD-LTE互換サービスのAXGPおよび、ソフトバンク本体が提供するBand 42では下り最大234Mbpsとなります。

256QAM導入時のプレスリリースでは、175Mbpsだったのが256QAMの導入によって234Mbpsとなると書かれており、175Mbpsは先の記事に示したように64QAMかつ4×4MIMOの時の値と一致します。

そしてソフトバンクの第2ブランド・Y!mobileでは4×4 MIMOおよび256QAM運用をする3.5GHz帯 (Band 42) に対応したモバイルルータを販売しており、これの商品紹介ページには当然ながら通信速度について書かれています。4×4 MIMOかつ256QAMの3.5GHz帯 TD-LTE2波と、256QAMの2.5GHz帯 AXGP1波とを組み合わせた際に下り最大612Mbpsとなることが図解されています。256QAM導入時のプレスリリースより、ソフトバンクでは256QAM導入による下り最大速度の向上は64QAMに対し1.33倍としていると判り、もろもろの値を計算すると公称値とほぼ一致するため確からしいと判ります。

KDDI (UQコミュニケーションズ)

KDDIグループのUQコミュニケーションズではBand 41でTD-LTE互換サービスのWiMAX2+を提供しており、これの4×4 MIMO利用時の下り最大速度は279Mbpsとなります。

256QAM導入のプレスリリースでは4×4 MIMO, キャリア・アグリゲーション, 256QAMの活用で558Mbpsを提供するとしており、これまでのキャリア・アグリゲーションにおいては公称値を倍々ゲームとしてきたため単純に割算をすればいいと考えられます。

一方で279Mbpsという値を元に256QAM導入効果を計算すると、他社とは違う1.27倍となっており、Transmission Modeの変更がなされた、ないしは制御チャンネル領域に関する解釈の変更が行われたと推測されます。

NTTドコモ

日本最大の携帯電話オペレータであり、理論値最高速度をほぼ常にリードしているNTTドコモのBand42 3.5GHz帯基地局の下り最大速度は241Mbps (TM9) ないしは294Mbps (TM4) となります。

NTTドコモでは2×2 MIMO, 256QAMのBand3 1.8GHz帯FD-LTE1波 200Mbpsと、4×4 MIMO, 256QAMのBand42 3.5GHz帯TD-LTE2波 241Mbps×2ないしは294Mbps×2により682Mbpsサービスないしは788Mbpsサービスを展開しています。

まとめ

TDD 20MHz幅で運用した1波 (1CC) あたりの速度公称値はそれぞれ

  • ソフトバンク: 234Mbps
  • KDDI: 279Mbps
  • NTTドコモ: 241Mbps (TM9), 294Mbps (TM4)

参考文献

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