東北新幹線の携帯・モバイル事情と圏外表示への移行について
よく、東海道新幹線で携帯電話、スマートフォンは快適に使えるのか?LTEの接続率はどうなっているのか?と話題になりますが、東北新幹線のモバイル事情はあまり取り上げられていませんね。
私は青森出身で、しばしば新青森―東京間で東北新幹線を利用するためちょっとまとめてみようかと思います。
トンネル内がエリア化されているのは「盛岡」以南
東北新幹線はやたらトンネルが多いのですが、トンネル内がエリア化されているのは「一ノ関から東京まで」です。
追記:
2015.4.22から盛岡~一ノ関間のトンネルでも使えるようになりました。
そのため、盛岡から東京間がエリア化されています。
以下記事はまだ盛岡~一ノ関間のエリア化がされていない時点のものとなります
一関(駅名は一ノ関)は仙台と盛岡の中間あたりにあります。
余談ですが今年の3月28日より以前は仙台以南までしかエリア化されていませんでした。
つまり盛岡以北のトンネル内は圏外となるわけです。
そして、青森に近づくにつれてトンネルの中を通過する時間は増え、圏外時間も増えます。
このグラフはXensurveyでFOMAのRSCPを測定したもので、左側が北(新青森側)で右端が一ノ関駅となります。
RSCPが-113dBmになっている部分が圏外です。明らかに青森に近づくにつれて圏外が増えていますね。
トンネルの中はLTE?3G?
では、一ノ関―東京間のトンネル内はどのようにエリア化されているのかということですが
- ドコモ
- ソフトバンク
トンネル内は未だに3Gのところが多いです。LTE固定では使えません。
- au
ずっとLTEです(さすがといったかんじ)
ただ、トンネル関係なしにハンドオーバーに失敗することがたまにあります。
東海道新幹線ほどは力を入れていないというのが正直明らかだなって感じです。
追記(2016.1.18):
auはトンネル内でも安定してLTEですが、未だにドコモ・ソフトバンクは3Gでエリア化されている部分が多いです。
では、トンネル内のエリア化にかかる費用は?
携帯電話エリア整備推進検討会報告書(案) 参考資料 – 総務省 (PDF注意)
このPDFの38ページ目を参照してみると、
- 仙台ー盛岡間(仙台ー一ノ関はすでにエリア化済みなので参考程度に)
トンネルの長さ→43km
費用→51億6千万円
- 盛岡ー八戸間
トンネルの長さ→69km
費用→82億8千万円
すさまじいですね……
追記:
2015年3月開業の北陸新幹線は開業時点ではエリア化しないそうです
圏外になってもすぐには圏外表示にならないお話
さて、ここからは東北新幹線のお話から離れて、端末が圏外になってから実際に圏外表示に移行するまでの時間の話をしたいと思います。
体験したことのある方も多いかと思いますが、端末は圏外になってもすぐには圏外表示に移行しないようになっています。
一瞬圏外エリアに入って、すぐ復帰する時この仕様はありがたいですが、そうでないときは「あれっ、シグナル立ってるのに通信できない」となりますね。
実は、何秒後に圏外に移行するかはキャリア側で設定しています。
報知情報のSIB2内にue-TimersAndConstantsという項目があり、その中のt311の値が圏外に移行するまでの時間です。
キャリアや場所によって値は変わってくるかと思いますが、例えばドコモの場合は30秒に設定されていることがほとんどな気がします(都内のログを見たかんじ)
ですので、圏外時間を測定する場合はRSRP(RSCP)がmin値になっている時間を測定する必要があるわけですね。
結論?
携帯が使えないなら読書をするか寝よう!
ちなみに私は、たまには読書をしようと思って毎回東北新幹線に乗る前に本を買うのですが、いつも寝て過ごしてしまいます。