横浜で最新鋭の携帯基地局を発見したので調べてみた。
神奈川県横浜市中区、横浜中華街にて珍しい基地局を見つけたので報告します。
発見した基地局について
電信柱に寄生したWireless City Planningのピコセル(ストリートセル)です。
装置は、見た目から察するにAirspan社製AirSynergyだと思われます。
このAirSynergyという無線機は今流行のSDR(ソフトウェア無線)でして、従来の基地局ではBBU/RRUの2台で異なるレイヤー(MAC/PHY)を処理していたものをまとめて1台で処理することが可能となり、基地局の小型化、建設のしやすさが飛躍的に上がります。
また、2014年にAirspanはQualcommと米Sprintと共同でSONの実験を行っていたことから、SONの性能もQの折り紙つきといったところでしょうか。
ちなみにSONとはSelf Organizing Networksの略で、隣接基地局のトラヒック量や干渉具合を自動で収集し、自動でネットワークのチューニングをしてくれる技術です。
殆どの基地局で導入されているそうですが、一番分かりやすいのがauのピコセルで、打ちまくって生じたマクロセルとの干渉をうまく調整しているんだとか……
秋葉原の実験局との違い
Airspan社製の装置が使われたストリートセルと言うと、昨年秋葉原に仮設されていたLTE Band42(3.5GHz帯)実験局を思い出す方も少なくないかと思います。
一見すると似ていますが、見比べてみると異なるのがわかります。
↑無線機側から見た比較写真
無線機の放熱板の形状やコネクタの数などが異なるので、秋葉原で見たAirSynergy 2000とは違うモデルだと思われます。(AirSynergy 3000 か?!)
また、四角い薄い箱が追加されましたが、配線を見る限り干渉対策用のバンドパスフィルターだと予想します。
↑アンテナ銘板シール部拡大
横浜
Swiched Omni Antenna,
2.3-2.7GHz, AirSynergy秋葉原
Swiched Omni Antenna,
3.4-3.7GHz, AirSynergy
秋葉原のアンテナは3.5GHz帯 LTE B42対応のものでしたが、今回横浜で発見したものは2.5GHz帯 LTE B41(AXGP)対応でした。
↑巣箱に”Wireless City Planning”のテプラと、その左には初めて見た電源
メーカー:Mean Well
型番:HLG-240H-48 (リンク先pdf注意)
備考:48V240W LED用 スイッチング式安定化直流電源
電源の供給先はよく分かりませんでしたが、AirSynergyの無線機に接続されているように見えます。
基地局の場所と局数
このときはピンが打ってある4局を見つけることが出来ました。
電波が出ていたかは確認できませんでしたが、後日確認しに行きたいと思います。
ちなみに、Google Mapsのストリートビューで確認したところ、2015年6月時点では設置されていませんでした。
~~~~~~~~~~15/12/28 追記~~~~~~~~~~
22:25 @y_crack氏からもう1局あった、という話を聞いたので、地図に追加しました。
@mebius_1 横浜中華街、AXGPのAirspan局ここにもあったので報告しておきますね。 https://t.co/tXagvugSVc
— ycrack (@y_crack) December 27, 2015
22:53 同氏からさらにもう1局あったと聞いたので地図に追加しました。
~~~~~~~~~~追記ここまで~~~~~~~~~~
↑LTE B41対応端末として305ZTを持ってはいるが、パラメータが見られず使いにくい
参考リンク
AirSynergy: Outdoor Urban Small Cell with Integrated Wireless Backhaul | Airspan (2015/12/22閲覧)
Qualcomm, Sprint, Airspan demo TD-LTE hyper-dense small cell network | March 5, 2014 | Telecom News and Statistics (2015/12/22閲覧)
[pdf] airspan_presentation_winncom_0412 | April 2012 | Airspan (2015/12/23閲覧)
KDDI用語集 | KDDI株式会社 (2015/12/23閲覧)
スイッチング電源装置 製品一覧 | Mean Well (2015/12/22閲覧)
