電柱に巣くう者ども -基地局っぽい物のご紹介-

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電柱に5G基地局をつける話について知りたい方へ

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東電・KDDIほかが配電柱への5G局設置実験を発表す。共用方式はトン協と違う?

楽天の電柱基地局を知りたい方へ

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電柱の楽天基地局を発見! AirSpanだ!

はじめに

2018年04月06日、総務省により特定基地局開設計画の認定が行われた。今回の認定ではKDDIおよび楽天モバイルネットワークに1.8GHz帯FDDバンドで各20MHz×2を、ソフトバンクおよびNTTドコモには3.4GHz帯TDDバンドで各40MHzが割り当てられた。従ってNTTドコモは3.4GHz帯で連続80MHz幅を得るまでとなった。というのは非常にどうでもいい。今回の主題は楽天モバイルネットワークだ。

楽天モバイルネットワークは基地局設置地として、ビルの屋上や駐車場・コンビニ敷地に設置するコン柱、他事業者や電力事業者の鉄塔への併架などと言ったごく一般的な物だけでなく、”電力会社が保有する既存電柱” という “20年ぶりだな。” “ああ。” な茶番をやりたくなってしまう記述が “設置場所の確保” に存在しているのである。

今回は電力会社の配電柱に設置されるであろう楽天の基地局を簡単に見分けられるようにすべく、現在2018年04月までに電柱に取り付けられている、基地局様の装置をできる限りご紹介したいと思う。

おことわり

アステルの基地局やNTTパーソナルの基地局は既に撤去されているものが多く、紹介したいにも写真がない場合も多い。このため電柱にも設置されたことのある機材を、電柱以外に設置されている写真を用いて紹介する場合もある。ご了承願いたい。

電力会社が設置する物

初っ端からパーマネントURLに反して電力会社による装柱のご紹介である。いやまあ電柱に取り付けられた時点で基地局も装柱なのかもしれないが、電力事業には関係ないのでなんかちょっと違うんじゃないの?というお気持ちになってしまう。この項では電力事業に間接的に関係ある装置らを扱う。

配電自動化用 遠方制御器 (子局)

日本の配電網はスマートグリッドが導入されてない。だから再エネが難しい。などというような話があるが、これはほぼ誤りである。確かに再エネの利活用に適したシステムではないが、配電自動化は達成されていて事故区間の自動特定や事故を除いた区間への配送電再開が自動的にできるようになっている。このように十分にインテリジェントな配電網となっているのだ。

こういうことをやるにはやはり “それ用の装置” が必要で、高圧線の開閉器が設置されているような電柱には配電自動化のための装置が設置されている。設置状況は下図のとおりである。

旧式の物はバケツをうつ伏せに置いたような形の物を電柱に直接取り付けているが、最新のは四角い物を腕金に取り付けている。基地局装置に似ているが、残念ながら違うのである。

低圧接続箱

住宅地だと電灯線の引き込みは、電柱に引き留められた低圧本線に団子を形成して接続するのが一般的だが、市街地では電力需要が旺盛活需要家が多いので接続箱にいったん低圧本線を引き込んでからの引込線への接続となる。

スマートメータ用コンセントレータ

スマートグリッド化を進めるべく、電力会社はスマートメータの導入を進めている。スマートメータからのデータ収集方式はいろいろあり、メータ同士でメッシュネットワークを構築してゲートウェイから公衆通信回線へ接続する物・メータが直接公衆通信回線に接続する物・電力搬送通信 (いわゆるPLC) を用いる物が存在している。戸建て向けには、九州電力を除く電力会社ではメッシュネットワークを構築する物を主として用いており、これに用いるゲートウェイをコンセントレータという。

後に挙げるau Wi-Fiスポットに似ているが、こちらはWi-Fi用のアンテナが存在していないのがポイントである。

電気通信事業者が設置する物

NTTグループが設置する物

NTTドコモ基地局

“あの” ドコモが電柱に基地局を?と思われる方もいらっしゃいますが、意外と設置されているんです! でも普通の基地局に使うRREではなく、1セクタをさらに分岐・延長させ、特に屋内に用いることが多いRoF (MOF) 向けの機材が用いられている。一般的なCPRIをインターフェースとするRREだと、体積にしてA4 2000枚ほどに収まらなかったんですかね? ちなみにBand 42 TD-LTE用の基地局 (こちらはCPRIで繋げるSRE. 3.5GHzのアドオンセルなため、局名がAC35から始まる) も存在する模様。

NTTパーソナル基地局

電柱に残っているPHS基地局と言えば鷹山 (YOZAN / ASTEL) というイメージがあるかもしれないが、ごく稀にNTTパーソナルの基地局も残っている。砂漠の中で砂金の粒を見つけるよりは簡単だと思うので、期待せずに探してみていただきたい。

クロージャ

クロージャという物は、電話局からあなたのお宅に向かうアクセス区間の本線系ケーブルから引き込み線を分岐するための端子函である。載せるかどうか迷ったが、NTT特有の灰白色の光クロージャはケイ・オプティコム (現:オプテージ) eoモバイルWi-Fiの基地局と紛らわしいような感じがしなくもないので、メタル線の黒いクロージャとともに掲載させていただく。

NTTテレコン グッとびくん親機 <F2>

電力会社が設置するスマートメータ用のコンセントレータと、機能的には似たような代物である。LPガスの自動検針に用いたりするらしい。

KDDIグループが設置する物

WiMAX (IEEE802.16e) 基地局

WiMAX基地局と言えばコン柱に3セクタの短いアンテナ、ないしは2本のオムニアンテナを抱かせたもの。そういう風に認識する人が居るかもしれないが、それでは残念ながら電波が届かない場所がある。仮に届いたとしても、トラフィックの増大に伴って1キャリアではさばききれなくなった場所が存在する。こういう時にセル内セルを置局することによって不感地帯をなくしたりトラフィックをさばく。

WiMAX R2.1 AE (WiMAX 2+) 基地局

WiMAX 2+基地局と言えばコン柱に4MIMO用の特製アンテナを3本抱かせたもの、ないしは2 – 6本のオムニアンテナを抱かせたものや、建物の上にある局に至ってはWiMAX (IEEE802.16e) 置局時に用いた2MIMO用のアンテナ4本に4MIMOアンテナ1本という “エコ” な組み合わせがメインだが、やはり不感地帯が発生したり電柱以外に設置する場所がなかったり、数をとにかく増やしたかったりとかで電柱に括り付けられている。

au Wi-Fiスポット (単独)

ライブドアが粉飾決済を行って堀江貴文氏が逮捕・起訴され、最終的にはライブドアワイヤレスはパワードコムとの関係性もあってか[独自研究?]KDDIに譲渡された。そのあとそれらはほぼ全て[要出典]au Wi-Fiスポットに置き換えられたのだった。

長細いプラスチック箱に関連資材が詰められたものと、ホームセンターでも買えるウォルボックスに詰められたものと両方存在している。

au CDMA基地局

auのピコセルと言えばLTEというイメージもあるかもしれないが、案外3G向けの機材もあるのである。セルの割入れや不感対策に用いる。

au 4G LTE基地局

一時期は、次の電柱基地局の主力はau 4G LTEのピコセルになるのではないか?などと思っていたら、設置がストップしてしまっている印象がある。au Wi-Fiスポットが付属しているものとしてないものとがあり、アンテナの形状もごん太1本や中くらいのが2本、頭頂部についたものとがあり、更にはRRUを腕金の上に置く設置形態も存在している。

ソフトバンクグループが設置する物

SoftBank 3G基地局

初めてこの事例を見た時、僕は “は!?” の一言しか出てこなかった。当然ながら自治体や電柱管理者によって重量や寸法の基準には違いが存在している。しかし20kg超の一般的なRRU22 2120が電柱についているなどと誰が思うだろうか? ちなみにNSNの資料によると、Flexiをつけた電柱が存在しているらしい。

SoftBank 4G LTE基地局

実験やらなんやらで小型の装置が取り付けられていることがあるらしい。ちなみに前項で触れたようにNSN Flexiがついている電柱もあるようなので探してみていただきたい。

あわせて読みたい: ほりぴー: “SoftBankが3.5GHz帯絡みCAの商用実験をしている話

このように一般共架部に腕金を突き出し、無線機をぶら下げてオムニアンテナを下向きに取り付けるのが多く見受けられるが、5m地点に無線機を設置して頭頂部にセクタアンテナを設置するBand 42 TD-LTE基地局も存在している。

AXGP基地局

SoftBank Airの登場に合わせて徐々に増えている印象ある電柱AXGP基地局。オムニアンテナを取り付けたものや、本体にアンテナを内蔵したもの、箱型のアンテナを装着したものと、バリエーションが豊富に存在している。上記の4G LTE基地局に用いられているHUAWEI DBS3900用RRUのRRU3220Eに似たRRU3236Eが単独でつけられている場合もあり、どこにどう設置されているのか正直解りづらいものである。

あわせて読みたい: にりょ: “AXGPの基地局・アンテナまとめ

PHS (WILLCOM) 基地局

電柱に残っているPHS基地局と言えば鷹山 (YOZAN / ASTEL) というイメージがあるかもしれないが、実はウィルコムの基地局にも電柱設置局が存在している。アステルの基地局がNTTの電話ボックスに取り付けられていた事案も存在したので、まあそういうことなのだろう。

アステルグループ構成員が設置する物

PHS基地局

ある意味本打ちである。関東圏に住んでいた皆々様にはおなじみのアステル基地局である。北海道では青看の上、九州ではバス停の中にぶち込まれるなどという設置例もあったようだが、関東圏はほぼ電柱の上とビルの上だけである。

長らく残っていたアステル東京の残滓も2017年には撤去が始まっており、初代電柱基地局の残滓は見られなくなってしまった。合掌。

YOZAN Bit Stand

携帯電話用のASICを設計していた(株)鷹山は複数法人の悪魔合体の結果、ポケベル事業とPHS事業を買い取ってそれらのインフラを活用して無線LAN網・WiMAXを追加し、IP通信企業へと脱皮を図ろうとした。その都合ライブドアワイヤレス同様にWi-Fiスポットを面展開しようとしたのだが、パワードコムの光ファイバを使おうとしたライブドアと違い、(2019/02/14追記: 最初は光ファイバを利用して展開しようとしたものの、最終的には) 自社のWiMAXを使うこととした。このWi-FiスポットをBit Standと呼び、PHS基地局を高度化 (2019/02/14追記: といってもWILLCOMのそれとは違い、ただの高出力化がメインである) したうえで間引き、その跡地に設置していった。

あわせて読みたい:

eoモバイル Wi-Fiスポット

ASTELグループ構成員は屋外Wi-Fiスポットを運営することを義務付けられているのか?と冗談を言いたくなるように、YOZANだけでなくケイ・オプティコム (現:オプテージ) もWi-Fiスポットを提供していた。関電柱には原則として機器類の共架を認めていないため、PHS基地局同様に電柱間に宙づりとなっている。

あわせて読みたい:

楽天モバイルが設置する物

上でも書いているように、こちらをご覧ください

電柱の楽天基地局を発見! AirSpanだ!

有線テレビジョン放送 (CATV) 事業者が設置する物

アンプなんだかO/E変換器なんだかよくわかりませんが、東急系列のCATV事業者であるイッツコムが電力柱に設置していたことを報告させていただく。HUAWEIロゴが入っている。このためケーブルテレビインターネット用の装置と推測する。

自治体が設置する物

防犯カメラ

いろいろある

参考文献

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